Airbnbなどのシェアハウス民泊の法律問題を真剣にまとめてみる

資産運用の一環として、自分の部屋を一時的にネットを介して人に貸すことが流行しています。

こういったサービスには、Airbnbをはじめ、Flipkey、Roomorama、Wimdu、Travelmob、9flats.com、OneFineStay、HomeAwayなどがあります。

▶関係する法律

借地借家法、民法、旅館業法、道路運送法、食品衛生法が深く関わります。

上記のサービスと各法律との関係について検討していきます。

通説では、貸し出し期間が一月を超える場合と、一月未満の場合で問題になる法律が分かれますので、分けて説明します。

【貸出期間が一月以上の場合】

“借地借家法”

まず、部屋の貸し出しが、およそ1か月の契約期間(滞在期間)を越えると、『賃貸』と判断されます。

そして、借主と借主の間で、借地借家法にもとづく『普通建物賃貸借契約』が結ばれたものと判断されます。

この場合、つぎのように、借りた人の保護が厚くなります。

「普通建物賃貸借による保護」

この契約は、借地借家法の適用を受け、借りる人の身分が保護されます。

たとえば、Airbnbで貸出期間を2ヶ月などと、一年未満の期間を定めた場合、法律上、契約期間は2ヶ月とは認められず、期間を定めない契約とみなされます(借地借家法第29条)。

そして、基本的に契約期間は自動更新されます。

さらに、貸主は、どうしても部屋に住む必要があるなどの正当な事由(理由)がない限り、借主に部屋から出て行くように要求すること(解約の申入)ができません(借地借家法第28条)。

ただし、仮に、賃貸人に正当な事由があっても、退去を要求できないケースもあります。

それは、airbnbでは稀なケースだと思いますが、1年以上の契約期間を設定し、かつ、賃貸人が期間満了の1年前から6か月前までの間に更新しない旨の解約の申入れをしなかったときです。このときは、賃貸借契約は期間満了により終了しません(借地借家法第28条)。

※なお、一般に、賃貸借契約には、『普通建物賃貸契約』以外にも『定期建物賃貸借契約』という態様の契約もありますが、この契約は公正証書等の書面による契約に限るため、Airbnbのようなサービスで交わされる契約には適用されません。

【貸出期間が一月未満の場合】

“旅館業法”

滞在期間が一月に満たない場合は、通説では、宿泊者は一時的に住んでいるだけとみなされ、上記の借地借家法上の契約は存在しないと判断されます。

この場合は、貸主が『旅館業』を営んでいると言えるのかどうかが問題となります。

旅館業を営むには、都道府県知事の許可を得る必要があり、無許可営業は、逮捕の対象となります。

※なお、保健所設置市または特別区にあっては、市長又は区長の許可を受ける必要があります。

旅館業を営んでいると判断する基準は、有償で反復継続して行われているか否かです。

▶有償性

Airbnbなどのサービスでは、貸主は、借主から、Airbnbを介してお金を受け取りますので、この条件を満たします。

▶反復継続性

一年を通して頻繁に募集をかけている場合や、頻繁におなじ部屋を繰り返し貸した実績がある場合には、反復継続性があると判断されます。

すなわち、その部屋は居住目的の住居ではなく、事業目的の住居とみなされます。

目安としては、一年に5回以上、繰り返して他人に貸し出している場合には、事業と判断されるでしょう。

※通常の人は、部屋を『居住目的』で借りますが、部屋を長期で空けるのは、年末年始、ゴールデンウイーク、盆、シルバーウィークの年4回程度が一般的です。これらの時期にのみ貸し出す程度であれば、法律に違反とされることはないでしょう。

▶衛生管理

そのほか、airbnbでは滅多にないケースだと思いますが、寝具の清掃や、部屋の掃除など、衛生面の維持管理を貸出者が行っている場合は、旅館業と判断されやすくなります。

“民法(賃貸借契約)”

上記の反復継続の要件を満たさない場合、つまり、本当に一時的に貸す場合は、旅館業法の適用はないので、つぎのように、一般法である民法の規定に従うことになります。

(このような貸し方こそ、Airbnbが本来想定している使い方といえるかもしれません)

「一時使用目的の賃貸借契約」

一時使用目的の場合には、民法上の賃貸借契約が結ばれたと判断されます。

この契約は、借地借家法では保護されないため、契約契約期間の満了をもって終了します。

また、賃貸借の期間を定めなかった場合には、当事者はいつでも解約の申入れをすることが可能です(民法第617条)。

貸主から解約する場合であっても、借地借家法の契約とは異なり、賃貸人に正当事由がなくても大丈夫です。

契約期間が満了すれば、法律にのっとり建物(部屋)を明渡してもらえます。

そのほか問題になる法律

“民法(器物破損など)”

貸主の物が壊された場合などは、民法に規定される不法行為にあたるため、損害賠償を請求することができます。

“道路運送法”

宿泊者と待ち合わせした後、宿泊者を車で家まで送るサービスは、道路運送法に違反するおそれがあります。

有償で旅客を載せて運送することは、『旅客事業者運送事業』にあたり(道路運送法3条)、国土交通大臣の許可が必要になるからです。

すなわち、無許可で、旅館業に付随するサービスとして車で送迎をしていると、有償で反復継続している事業と判断され、道路運送法に違反します。

“食品衛生法”

貸主が、宿泊者に食事をつくって提供する場合、食品衛生法に違反するおそれがあります。

食品営業許可は、食品営業許可を申請し、都道府県知事が定めた施設基準に合致する施設である場合にのみ、許可が認められるからです。

すなわち、無許可で、旅館業に付随するサービスとして食事をつくって提供していると、有償で反復継続している事業と判断され、食品衛生法に違反します。

結語

上記の民法上の賃貸借契約を結ぶようにすれば、契約期間が満了すると法的に建物を明渡してもらえることが確実なので、貸主にはリスクの少ない契約形態と言えます。

Airbnbなどのシェアサービスを貸主として使う場合には、業務と判断されて困ることのないように、一時的使用にのみ貸し出すのがお勧めです。